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アストルティアとIT業界で戦う無名戦士の墓誌

アジャイルなリメイク

開発には4つのファクターがある。すなわち、品質、納期、予算、機能である(byアジャイルサムライ)。

 

ウォーターフォールは、事前に調査・設計を行うことで、妥当な納期、予算を事前に算出する開発モデルである。


対してアジャイルは、いくら入念に調査・設計したところで正確な納期、予算の見積もりはでないというスタンスで、調査・設計もほどほどに開発を始めてしまう。当然、進捗にブレが出てくるのだが、これは機能の量を調整することで解決する。

 

つまり進捗に遅れが出た場合、ウォーターフォールでは納期・予算に影響が及ぶが、アジャイルでは機能の量に影響が及ぶ。これがウォーターフォールアジャイルの大きな違いである。

 

アジャイル開発では実装すべき機能に優先度を付け、優先度の通りに開発することが求められる。でないと進捗によっては重要な機能を欠いた状態でリリースをせざるおえない状況になりうる。特にリリースのために絶対に欠かすことができない優先度MAXの機能のみが実装された状態をMVP(Minimum Viable Product)と呼ぶ。他にも似たような呼び方があった気がしたけど忘れた。

 

例えばファミコンドラクエ4では真のラスボスになるはずだったエビルプリースを実装せず、デスピサロを倒すところで開発を打ち切りリリースをしている。これは工数ではなく容量的な問題で実装を見送ったらしいが、これは優先度をコントロールしてリリースを成功させた例といえるだろう。

 

この手法がとれた理由の一つはドラクエ4が当時新規開発案件であり、MVPを小さく保てたからだ。もしエビスプリーストだけ消してもまだ足りなかった場合は、例えばカジノをなくす、トルネコを葬り去る、などの手段がとれたはずである。

 

しかしこれがリメイク版の開発だと話が変わってくる。
スマートフォンのリメイク版ドラクエ4が、工数の関係でストーリーがエスタークで終わってしまったり、カジノが無かったりしたらユーザレビューは大炎上間違いなしである(トルネコはいてもいなくても大差ないので多分大丈夫)。リメイク開発は、新規開発に比べて機能を削りづらい=MVPが大きくなる傾向にあるといえよう。

 

前述の通りアジャイル開発の肝は、進捗のブレを機能の量を調整して納期を守ることにあった。これを機能を調整できないリメイク開発に適用してしまうと、プロジェクトの中盤以降で品質、納期、予算、機能全てが制御不能な状態に陥り、プロジェクトが破綻する。リメイク開発では、アジャイル開発であっても事前に調査・設計をある程度の確度をもって行い納期の目処をつけた状態で開発に着手するか、納期に十分な余裕をもたせるべきである。